# 主な機能

本章では、ULIZA IP Broadcaster (Cloud)の主な機能ついて記述しています。

# 概要

ULIZA IP Broadcaster (Cloud)はライブイベントを管理することを目的としたULIZAプロダクトのひとつです。ライブイベントの作成や開始、終了、RTMP URLとストリームキーの発行、アーカイブやマルチビットレートに関する設定をできます。通常のリニア配信だけでなく、ライブ配信中の追いかけ再生やシーク操作を可能にするライブDVR配信やライブ配信終了後の自動アーカイブも可能です。

# ライブイベントの管理

ライブイベントの作成、確認、削除、開始、および終了ができます。ライブイベントの設定項目は以下の通りです。

項目 説明
ライブイベント名 ライブイベントの名前を指します。
説明 ライブイベントの説明文を指します。
DVR設定 DVRの有効/無効を指定します。DVRを有効にすると、ライブ配信中の追いかけ再生やシーク操作が可能になります。

アーカイブ設定

ライブイベント終了後のアーカイブの方法を指します。

  • 上書き登録する:ライブ終了後、ライブコンテンツをアーカイブで上書きします。ライブ配信と同様のプレイヤータグを用いてアーカイブ配信をしたい場合はこちらを選択してください。
  • 別コンテンツとして登録する:ライブコンテンツとは別にアーカイブ用のコンテンツを作成します。アーカイブを残したいが配信をしない場合や、アーカイブの視聴にライブとは別の制限を設けたい場合はこちらを選択してください。
  • アーカイブ登録しない:アーカイブを作成しません。
ストリーム設定 ストリームの設定をします。マルチビットレートで配信する場合は、「ストリームの追加」ボタンをクリックすることでストリームを追加できます。
ビットレート 映像ビットレートを指します。この値は重複できません。
映像の幅を指します。
高さ 映像の高さを指します。
トランスコード トランスコード機能の有効/無効を指定します。トランスコード機能を有効にすると、1帯域のライブ映像信号をサーバーサイドで複数のビットレート向けにトランスコードして配信することができます。
セグメント秒数 HLSセグメントの長さ(秒)を指します。一般的にセグメント秒数の値が小さいほど配信の遅延は少なくなります。しかし、視聴端末のネットワークの安定性などによりローディングが発生しやすくなるため、4秒以上を推奨します。

入力冗長化設定

プライマリー入力とバックアップ入力の切り替え方式を指します。 「プライマリー入力を優先する」が設定されている場合は、プライマリーとバックアップの両方が入力されている際に、常にプライマリー入力を採用します。

コンテンツのカテゴリ ULIZA VMS (Cloud)に登録するライブコンテンツのカテゴリを指します。
コンテンツのラベル ULIZA VMS (Cloud)に登録するライブコンテンツのラベルを指します。

その他、視聴制限やポスター画像などの配信に関する設定はライブイベントの作成と同時にULIZA VMS (Cloud)に同名で作成されるライブコンテンツで行います。

# ライブイベントのステータス

ライブイベントは以下のステータスのいずれかを持ちます。ステータスによって行える操作が異なります。ステータスの詳細と行える操作は以下のとおりです。

ステータス 説明 可能な操作
開始前 ライブイベントを作成した直後の状態です。この状態ではまだライブエンコーダーの接続はできません。「開始」操作を行うと、「開始中」ステータスに変化します。 開始、編集、削除
開始中 ライブイベントの開始処理をしている状態です。この状態ではまだライブエンコーダーの接続はできません。処理が終わると自動的に「実行中」ステータスに変化します。 なし
実行中 ライブイベントが実行中である状態です。この状態でライブエンコーダーを接続することでライブ配信ができます。「終了」操作を行うと「終了後」ステータスに変化します。「キャッシュクリア」操作を行うと、配信している動画データ(キャッシュ)が削除されます。「一時停止」操作を行うと「開始前」ステータスに変化し、一時停止を行う前に配信していた動画データをULIZA VMS (Cloud)に新しいコンテンツとしてアーカイブ登録します。 終了、キャッシュクリア、一時停止
終了後 ライブイベントが終了した状態です。アーカイブ設定に応じてアーカイブ作成処理が開始します。この状態のライブイベントは操作できません。 なし
エラー ライブ配信サーバーの異常終了を検知した場合にこのステータスに変化します。ライブイベントは自動的に再開し、「実行中」ステータスに変化します。 なし

# ライブテンプレートの管理

ライブテンプレートの作成、確認、更新、および削除ができます。ライブテンプレートはライブイベントの設定の雛形を事前に作成する管理画面上の機能です。同じ設定のライブイベントを複数作成する際にライブテンプレートを選択することで「ライブイベント名」「説明」以外の項目が入力された状態になり、簡単に作成できます。

# ライブDVR配信

ライブDVR配信は、ライブ再生中にシーク操作ができる配信方式です。タイムシフト再生や追いかけ再生とも呼ばれます。デフォルトではDVR設定が有効になっています。シーク操作を許可したくない場合は、DVR設定を「無効」に変更してください。

# トランスコード

トランスコード機能を有効にすると、1帯域のライブ映像信号をサーバーサイドで複数のビットレート向けにトランスコードして配信することができます。ライブエンコーダーから打ち上げるライブ映像のビットレートは、ライブイベントに設定した最大ビットレートの 1 ~ 1.5倍のビットレート値を使用してください。

# キャッシュクリア

キャッシュクリアを行うと、配信している動画データ(キャッシュ)が削除されます。キャッシュクリアを行うことで、事前に行った配信テスト等の動画データを削除し、同じライブイベントを使用して再度ライブ配信ができます。キャッシュクリアが完了するまでには時間がかかることがあります。

# 入力冗長化

入力冗長化されているライブイベントでは、プライマリーとバックアップの2系統の入力が可能になります。また、管理画面の「RTMP URL」にプライマリーURLとバックアップURLが表示されるようになります。これら2系統は、ライブイベントの「プライマリー入力を優先する」の設定や入力の状況に従ってライブ配信サーバーにて選択され、1系統のストリームとして配信されます。

ヒント

先に入力を検知した系統より配信を開始するため、入力冗長化を行う際はプライマリーから入力することを推奨します。バックアップから入力すると、「プライマリー入力を優先する」が設定されていない場合は、プライマリーに入力がある場合もバックアップの映像が配信されます。

# 自動アーカイブ

ライブイベントを終了すると、ライブイベントの設定内容に応じてアーカイブが自動的に作成されます。アーカイブはULIZA VMS (Cloud)にVODコンテンツとして登録されます。アーカイブの登録完了までは時間がかかることがあります。また、アーカイブ処理はライブイベントを終了することで開始されるので、ライブ配信を終了した後はライブイベントを終了してください。

# 利用履歴の確認

指定した期間のライブイベントの一覧と利用状況を確認できます。確認できる利用状況は以下の通りです。

項目 説明
ライブイベント数 ライブイベントの総数です。
ライブイベント合計実行時間 ライブイベントの実行時間を合計した時間です。
ライブイベント最大同時実行数 同一時刻に実行していたライブイベントの数の最大値です。