# 主な機能

本章では、ULIZA VMS (Cloud)の主な機能について記述しています。

# 概要

ULIZA VMS (Cloud)はコンテンツおよびそのメタデータを管理することを目的としたULIZAプロダクトのひとつです。ULIZA VMS (Cloud)に対してコンテンツを登録するULIZA En-Cluster (Cloud)や、ULIZA VMS (Cloud)からデータを取得してプレイヤータグを発行するULIZA Player (Cloud)などのULIZAプロダクト(またはこれと同等の機能を有する外部システム)と連携させて使用することが想定されています。また、ULIZA Video Storageと連携して動画データの管理を行います。

注意

ULIZA En-Cluster (Advanced)は2020年6月現在ULIZA VMS (Cloud)との連携には未対応です。

# コンテンツの管理

ULIZA VMS (Cloud)はコンテンツのメタデータを以下のようなデータ構造で管理しています。

注意

上図のコンテンツは例です。実際のコンテンツに含まれるストリームの個数や字幕の個数、フォーマットやビットレート、ストリームセットの個数およびその組み合わせ方はコンテンツにより異なる場合があります。

それぞれの要素の詳細は以下の通りです。

名称 説明
アカウント ULIZAプロダクトアカウントを指します。マスターアカウントは自身の管理するコンテンツを操作できるほか、サブアカウントの管理するコンテンツの情報を閲覧することができます。
コンテンツ ULIZA VMS (Cloud)がタイトルやカテゴリなどのメタデータを管理する基本的な単位を指します。
コンテンツ名 アカウント内でコンテンツを一意に識別するための文字列を指します。半角英数字およびハイフン、アンダースコアのみで構成されます。
タイトル コンテンツのタイトルを指します。
説明 コンテンツの説明文を指します。
公開状態 コンテンツの公開状態を指します。非公開コンテンツは配信されませんが、コンテンツ詳細画面の「プレビュー」タブなどでは視聴が可能です。公開期間を指定して期間限定で公開することも可能です。
カテゴリ コンテンツを分類するための識別子を指します。すべてのコンテンツには必ず1個のカテゴリが紐づけられます。最大3階層までの階層構造とすることができます。
ラベル コンテンツを分類するための識別子を指します。1個のコンテンツには0個以上の複数のラベルを紐づけることができます。
タグ キーと値のペアで構成されるコンテンツの付加情報を指します。1個のコンテンツには0個以上の複数のタグを登録することができます。
チャプター コンテンツの特定の時間範囲およびその範囲に対する付加情報(タイトル、サムネイル画像など)を指します。1個のコンテンツには0個以上の複数のチャプターを登録することができます。
関連資料 コンテンツの内容に関連する任意の形式のファイルを指します。1個のコンテンツには0個以上の複数の関連資料を登録することができます。また、PDF形式の関連資料とチャプター情報を使用することで、動画とPDFファイルが連動するプレゼンテーションプレイヤーを設定することもできます。
テスト コンテンツに紐づくテストを指します。
コンテンツフォワードポリシー コンテンツに紐づくコンテンツフォワードポリシーを指します。
ストリーミングポリシー コンテンツに紐づくストリーミングポリシーを指します。
ストリームセット 同じコンテンツに紐づく1個以上のストリームおよび0個以上の字幕の組み合わせを指します。1個のコンテンツには複数のストリームセットを登録することができます。組み合わされた複数のストリームは、配信時にマルチビットレートとして配信され、プレイヤーの操作によりビットレートを切り替えることができます。1個以上の字幕を組み合わせた場合は、プレイヤーの操作により字幕を表示することができます。コンテンツの配信用URLを発行する際に、ストリームセットを指定する必要がありますが、省略した場合は、コンテンツのストリーミングポリシーに従い最適なストリームセットが自動的に決定および配信されます。
ストリーム コンテンツを構成する映像または音声データ(ULIZA Video Storageに格納されている配信ファイル)を指します。1個のコンテンツにはフォーマットやビットレートなどの異なる複数のストリームを登録することができます。ストリームセットに含めることで配信できるようになります。フォーマットがMP4であるストリームは管理画面からダウンロードすることができます。フォーマットがMP4ではないストリームはMP4に変換することで、ダウンロードすることができます。
字幕 コンテンツに紐づく字幕データを指します。1個のコンテンツには字幕のラベル(プレイヤーに表示される文字列)や言語の異なる複数の字幕を登録することができます。ストリームセットに含めることで配信できるようになります。管理画面から字幕ファイルをアップロードするか、管理画面の字幕エディタを使用して登録することができます。
ポスター画像 コンテンツに紐づくポスター画像を指します。1個のコンテンツには複数のポスター画像を登録することができます。このうち1枚の画像を「再生前画像」に指定することができます。「再生前画像」は管理画面でサムネイルとしても使用されます。また、複数のポスター画像を選択してプレイヤーの再生前スライドショーとして使用することもできます。
シークプレビュー画像 ULIZA Playerのシークプレビュー表示用画像を指します。1個のコンテンツに1枚のシークプレビュー画像を登録することができます。

# トリミング

コンテンツの一部を時間範囲で切り出して新たなコンテンツとして登録することができます。切り出したコンテンツはULIZA En-Cluster (Cloud)を経由して再エンコードされることで登録されます。

# コンテンツの配信

ULIZA VMS (Cloud)はULIZA Player (Cloud)などの連携システムからのリクエストにより、ULIZA VMS (Cloud)が管理するコンテンツの配信用URLを発行して返却します。コンテンツフォワードポリシーやストリーミングポリシーを使用することで、視聴環境に応じたレスポンスの高度なカスタマイズが可能です。

# 視聴条件

コンテンツフォワードポリシーやストリーミングポリシーでは、下表に示す視聴条件のうち1個以上の条件を使用してルールを作成することができます。下表に示すいずれかの視聴条件が、

  • 特定の値に等しい
  • 特定の値よりも大きい
  • 特定の値よりも小さい
  • 特定の値に等しくない
  • 特定の値よりも大きいまたは等しい
  • 特定の値よりも小さいまたは等しい

のときに、別のコンテンツや画像を配信(コンテンツフォワードポリシーを使用)することや、特定のストリームセットを配信(ストリーミングポリシーを使用)することができます。

視聴条件名 説明 設定例(下線部)
視聴日時 配信用URLを発行した日時 2019年7月31日午後9時以降の視聴であれば配信終了を案内する画像を表示する(コンテンツフォワードポリシーを使用)
視聴時刻 配信用URLを発行した時刻 毎日午前9時前の視聴であれば配信開始前である旨を案内する画像を表示する(コンテンツフォワードポリシーを使用)
視聴日(曜日) 配信用URLを発行した曜日 毎週火曜日だけ限定コンテンツを配信し、それ以外は予告映像を配信する(コンテンツフォワードポリシーを使用)
視聴場所(国) IPアドレスから判定した視聴場所(国レベル) 日本国外からの視聴であれば音声ストリームのみを含むストリームセットを配信する(ストリーミングポリシーを使用)
視聴端末の種別 User-Agentから判定した視聴端末の種別(PC/モバイル/タブレット/その他) PCからの視聴であればより平均ビットレートの高いストリームセットを配信する(ストリーミングポリシーを使用)
Refererのドメイン 配信サイトのドメイン www.example.com以外からの視聴であればエラー画像を表示する(コンテンツフォワードポリシーを使用)

複数の視聴条件をAND条件で組み合わせることで、さらに高度な視聴条件も作成可能です。例えば「平日の午前9時から午後6時までの視聴であれば〜」「2019年11月の土曜日の視聴であれば〜」といった視聴条件を作成することができます。

# コンテンツフォワードポリシー

コンテンツフォワードポリシーを使用すると、視聴条件に応じて配信するコンテンツを動的に変化させることができます。1個のコンテンツフォワードポリシーには複数のルールを含めることができます。これらは順番に評価され、最初に視聴条件が合致したルールのアクションが適用されます。

# アクション

それぞれのルールごとに以下の3種類のアクションから選択することができます。

アクション名 説明 設定例(下線部)
転送しない リクエストされたコンテンツの配信用URLをそのまま返却します。 日本国内からの視聴であればそのまま配信を許可する
別のコンテンツに転送 リクエストされたコンテンツに関わらず特定のコンテンツの配信用URLを返却します。 毎週火曜日だけ限定コンテンツを配信し、それ以外は予告映像を配信する
任意の画像を表示 リクエストされたコンテンツに関わらず任意の画像URLを返却します。 毎日午前9時前の視聴であれば配信開始前である旨を案内する画像を表示する

# 設定例

例えば、「2019年10月5日午後5時より前までは予告映像を配信し、それ以降は翌日午後11時より前まで限定コンテンツを配信する。配信終了後は配信終了を案内する画像を表示する」という動作を実現するためには、まず以下のようなコンテンツフォワードポリシーを作成します。

続いて、このコンテンツフォワードポリシーを限定配信するコンテンツに紐づけてから、プレイヤータグをWebサイトに埋め込みます。2019年10月5日午後5時より前にWebサイトにアクセスすると、予告映像が配信されますが、それ以降から翌日午後11時より前までにアクセスすれば、限定コンテンツが配信されます。

なお、実際の管理画面の操作方法についてはこちらを参照してください。

また、コンテンツフォワードポリシーは自動更新させることができます。プレイヤータグ発行時に、コンテンツフォワードポリシーの自動更新を有効にすることで、Webサイトをリロードすることなく、視聴条件に合わせて自動的にアクションを切り替えることができます。プレイヤータグの設定についてはULIZA Player (Cloud) User Guide (opens new window)を参照してください。

# ストリーミングポリシー

ストリーミングポリシーを使用すると、視聴条件に応じて配信するストリームセットを動的に変化させることができます。1個のストリーミングポリシーには複数のルールを含めることができます。これらは順番に評価され、最初に視聴条件が合致したルールのフィルタにより配信するストリームセットが決定されます。

# フィルタ

それぞれのルールごとに以下から複数のフィルタを選択することができます。フィルタは返却すべきストリームセットが1個に絞り込まれるまで指定した順番に適用されます。なお、【  】表記はその中からいずれかが選択可能であることを示します。

  • 含まれるストリームのフォーマットが【 MP4 / HLS 】であるストリームセットを優先
  • 映像ストリームが【 含まれる / 含まれない 】ストリームセットを優先
  • 音声ストリームが【 含まれる / 含まれない 】ストリームセットを優先
  • 字幕が【 含まれる / 含まれない 】ストリームセットを優先
  • 含まれるストリームの映像コーデックが【 H.264 / H.265 】であるストリームセットを優先
  • 含まれるストリームの音声コーデックが【 AAC / MP3 】であるストリームセットを優先
  • 含まれるストリームの個数が【 最も多い / 最も少ない 】ストリームセットを優先
  • 含まれるストリームの映像ビットレートの【 最大値 / 最小値 / 平均値 】が【 最も大きい / 最も小さい 】ストリームセットを優先
  • 含まれるストリームの音声ビットレートの【 最大値 / 最小値 / 平均値 】が【 最も大きい / 最も小さい 】ストリームセットを優先
  • 含まれるストリームの解像度の【 最大値 / 最小値 / 平均値 】が【 最も大きい / 最も小さい 】ストリームセットを優先
  • 含まれるストリームの映像フレームレートの【 最大値 / 最小値 / 平均値 】が【 最も大きい / 最も小さい 】ストリームセットを優先
  • 登録日時が【 最も新しい / 最も古い 】ストリームセットを優先
  • 最終更新日時が【 最も新しい / 最も古い 】ストリームセットを優先

補足

条件に合致するストリームセットが存在しない場合は、そのまま次のフィルタが適用されます。

# 暗黙のフィルタ

配信するストリームセットが1個に絞り込めなかった場合は、続けて「暗黙のフィルタ」が適用され1個のストリームセットが決定されます。「暗黙のフィルタ」は、

  1. 含まれるストリームのフォーマットがHLSであるストリームセットを優先
  2. 含まれるストリームの個数が最も多いストリームセットを優先
  3. 含まれるストリームの映像ビットレートの平均値が最も大きいストリームセットを優先
  4. 登録日時が最も新しいストリームセットを優先

の順にストリームセットを絞り込みます。

# 設定例

例えば、「海外から視聴した場合は音声ストリームのみを含むストリームセットがあればそれを配信し、国内から視聴した場合は映像ストリームの平均ビットレートが最も大きいストリームセットを配信する」という動作を実現するためには、まず以下のようなストリーミングポリシーを作成します。

続いて、このストリーミングポリシーを配信するコンテンツに紐づけてから、プレイヤータグをWebサイトに埋め込みます。このコンテンツに映像ストリームが含まれないストリームセットが存在する場合は、海外から視聴することでそのストリームセットが配信されます。映像ストリームが含まれないストリームセットが存在しない場合は、「暗黙のフィルタ」によりストリームセットが決定されます。

なお、実際の管理画面の操作方法についてはこちらを参照してください。

# コンテンツ配信用URL発行までの流れ

ULIZA VMS (Cloud)からコンテンツ配信用URLを取得するには、コンテンツ名が必要です(ストリームセット名も任意で指定可能です)。ULIZA VMS (Cloud)はULIZA Player (Cloud)などの連携システムからコンテンツ名を受け取ると、最初にそのコンテンツに紐づくコンテンツフォワードポリシーを評価し、コンテンツを決定します。なお、別のコンテンツに転送された場合は、転送先のコンテンツに紐づくコンテンツフォワードポリシーは評価されません。

次に、決定されたコンテンツ(別のコンテンツに転送された場合は、転送先のコンテンツ)に紐づくストリーミングポリシーが評価され、配信するストリームセットが決定されます(ただし、配信用URL発行要求時にストリームセット名を指定した場合は、ストリーミングポリシーは評価されません)。

# 配信セキュリティ

配信フォーマットがHLSまたはMPEG-DASH形式の場合、またはアクセス制限が有効な配信ネットワークを経由してMP4形式のコンテンツを配信する場合は、配信用URLに有効期間が設定されます。有効期間が過ぎた配信用URLは無効化され、コンテンツが配信されなくなります。この有効期間はストリーミングポリシーごとに設定できます。より強固なセキュリティが必要な場合は、ULIZA DRM(マルチデバイスに対応する弊社のデジタル著作権管理(DRM)ソリューションを指します)などの利用を検討してください。

# プレイリストの管理

ULIZA VMS (Cloud)で管理されている複数のコンテンツからプレイリストを編成することができます。プレイリストをULIZA Player (Cloud)と組み合わせて使用すると、関連性のある複数のコンテンツの連続再生や、ページを遷移することなく複数のコンテンツを切り替えて再生するといった視聴体験を実現できます。ULIZA VMS (Cloud)のプレイリストには、マニュアルプレイリストダイナミックプレイリストの2種類があり、状況に応じて適切なものを選択できます。

# マニュアルプレイリスト

マニュアルプレイリストは、すべてのプレイリストアイテムを直接指定するプレイリストです。プレイリストアイテムの追加や削除を行うには、プレイリスト編集画面で都度設定を行います。コンテンツの組み合わせや並べ順を自由にカスタマイズする場合は、マニュアルプレイリストを選択してください。

# ダイナミックプレイリスト

ダイナミックプレイリストは、プレイリストを編成するための条件のみを指定するプレイリストで、プレイリストアイテムはその条件に従って配信時に決定されます。条件に合致するコンテンツがULIZA VMS (Cloud)に登録されると、自動的にプレイリストにも追加されます。シリーズ作品などのように、コンテンツ名やタイトルが一定の命名規則に従い設定されている場合や、特定のカテゴリやラベルが設定されているコンテンツからプレイリストを編成する場合は、ダイナミックプレイリストの使用を検討してください。

# 編成条件

以下の条件を使用してダイナミックプレイリストを編成することができます。複数の条件を使用した場合は、すべての条件を満たすコンテンツからプレイリストが編成されます。なお、【  】表記はその中からいずれかが選択可能であることを示します。

  • 特定のカテゴリに紐づくコンテンツ(カテゴリの複数指定は不可)
  • 特定のラベルに紐づくコンテンツ(ラベルの複数指定は不可)
  • コンテンツ名が特定の文字列【 から始まる / で終わる / を含む 】コンテンツ
  • タイトルが特定の文字列【 から始まる / で終わる / を含む 】コンテンツ

また、プレイリストアイテムの並び順は以下から選択することができます。

  • コンテンツ名順(昇順)
  • コンテンツ名順(降順)
  • 登録日時が新しい順
  • 登録日時が古い順

# 設定例

例えば、以下のような条件でダイナミックプレイリストを編成することができます。

  • カテゴリが「スポーツ」で、かつタイトルに「野球」を含むコンテンツを登録日時が古い順に最大10件
  • コンテンツ名が「2019-12-」から始まるコンテンツを登録日時が新しい順に最大20件

# 配信サイトおよび視聴ページの発行

ULIZA VMS (Cloud)で管理されているコンテンツから配信サイトを発行することができます。これにより、ウェブサーバを管理したりHTMLコードを記述したりすることなしに、オリジナルの配信サイトをインターネット上で公開することができます。配信サイトには一般の視聴者がアクセスしてコンテンツを視聴できますが、特定の視聴者だけにアクセスを制限することもできます。また、配信サイト全体ではなくコンテンツごとに単独の視聴ページのみを発行することもできます。

# サイト構造

配信サイトは以下のページにより構成されます。

# ログインページ

ユーザー認証が有効な配信サイトにおいて、ログインしていない状態で配信サイトにアクセスすると表示されるページです。ユーザー名とパスワードを入力して「ログイン」ボタンをクリックすると、コンテンツ一覧ページまたは視聴ページに遷移します。

# コンテンツ一覧ページ

コンテンツの一覧を表示するページです。サムネイル画像をクリックすると、その動画の視聴ページに遷移します。カテゴリやラベルによるコンテンツの絞り込みが可能です。各種表示テキストの内容や書式はカスタマイズが可能です。

# 視聴ページ

コンテンツを視聴するページです。プレイヤーの機能や外観はカスタマイズが可能です。プレイヤーの下側に関連動画を表示したり、プレイヤーの右側または下側にチャットを設置することもできます。

# ドメイン名

配信サイトの場合は、"○○.ulizaportal.jp"(○○ の部分はお客様が指定可)またはお客様所有のドメインが指定可能です。コンテンツごとに発行した視聴ページの場合は、"ulizaportal.jp" または登録済みの配信サイトと同じドメインが指定可能です。

注意

お客様所有のドメインを指定する場合は、SSL証明書をお客様にて準備いただく必要があります。また、指定したドメインのDNSレコードにAレコードを追加する作業をお客様にて実施いただく必要があります。追加するAレコードのIPアドレスは、配信サイトの登録画面で確認することができます。具体的な設定方法については、ご利用のDNS管理者までお問い合わせください。

# コンテンツ公開範囲

配信サイトの場合は、掲載するコンテンツの公開範囲を以下から選択できます。

  • すべての公開コンテンツを掲載
  • 特定のカテゴリに紐づく公開コンテンツのみを掲載
  • 特定のラベルに紐づく公開コンテンツのみを掲載

また、ユーザー認証が有効(ただし「単一ユーザー認証」を除く)である場合は、会員条件に応じて公開範囲を動的に変化させることができます。会員プールを使用する場合は会員のユーザー名や所属グループ名を、OpenID Connect連携を使用する場合はID Token (opens new window)に含まれる任意のクレーム(claim)の値を特定の文字列と比較することで、適用すべきコンテンツ公開範囲が決定されます。

# 設定例(会員プールを使用する場合)

例えば、「『特別会員』グループに所属している会員と、メールアドレスが『@example.com』で終わる会員は、すべての公開コンテンツを視聴可能とするが、それ以外の会員は『一般公開用』カテゴリのコンテンツのみを視聴可能とする」という動作を実現するためには、以下のようなルールを作成して配信サイトに設定します。

補足

特定の文字列との等値性の評価においては、*@example.com のようにワイルドカード * を使用できます。ワイルドカードは *@example.com のように先頭に使用(後方一致)するか、admin-* のように末尾に使用(前方一致)するか、*word* のように先頭と末尾の両方に使用(部分一致)できますが、admin-*@example.com のように内部には使用できません。

上図のように複数のルールを含めた場合は、これらのルールは上から順番に評価され、最初に会員条件が合致したルールの公開範囲が適用されます(コンテンツフォワードポリシーストリーミングポリシーと同様の挙動となります)。

実際の管理画面の操作は、配信サイトの編集画面の「認証設定」セクション内で行います。

# 設定例(OpenID Connect連携を使用する場合)

例えば、「ID Tokenに含まれるbirthdateクレームの値が2010-01-01よりも大きいまたは等しい、すなわち生年月日が2010年以降である会員には『子ども向け』カテゴリのコンテンツのみを視聴可能とするが、それ以外の会員は『一般向け』カテゴリのコンテンツのみを視聴可能とする」という動作を実現するためには、以下のようなルールを作成して配信サイトに設定します。

補足

OpenID Connect連携時において、ID Tokenのペイロード内における特定の要素を指示するためにJSON Path (opens new window)記法を使用します。例えば、以下のようなID Tokenのペイロードがある場合、JSON Path $.gender で会員の性別を取得でき、同様に $.address.country で会員の居住国を取得できます。

{
  "iss": "http://server.example.com",
  "sub": "248289761001",
  "aud": "s6BhdRkqt3",
  "nonce": "n-0S6_WzA2Mj",
  "exp": 1311281970,
  "iat": 1311280970,
  "name": "Jane Doe",
  "given_name": "Jane",
  "family_name": "Doe",
  "gender": "female",
  "birthdate": "1973-10-31",
  "email": "janedoe@example.com",
  "picture": "http://example.com/janedoe/me.jpg",
  "address": {
    "street_address": "1234 Hollywood Blvd.",
    "locality": "Los Angeles",
    "region": "CA",
    "postal_code": "90210",
    "country": "US"
  }
}

実際の管理画面の操作は、配信サイトの編集画面の「認証設定」セクション内で行います。

# 外観のカスタマイズ

コンテンツ一覧ページおよび視聴ページは、それぞれ複数のレイアウトから選択できます。ヘッダ、フッタ、コンテンツ一覧ページのヘッダ下部表示テキスト、および視聴ページのタイトル下部表示テキストはカスタマイズが可能です。さらに、任意のCSSコードを記述することで高度な外観のカスタマイズが可能です。

# favicon画像設定

favicon画像を設定できます。画像はPNGまたはGIF形式を推奨します。

補足

favicon画像とは、ブラウザのタブやアドレスバーに表示される小さな正方形のアイコン画像を指します。

# OGP表示用画像

コンテンツ一覧ページと視聴ページにOGP表示用画像を設定できます。ただし、配信サイトを構成する各視聴ページのOGP表示用画像にはコンテンツの再生前画像が使用されます。

補足

OGPはOpen Graph Protocol (opens new window)の略称です。OGP表示用画像とは、配信サイトや視聴ページのURLがFacebookやTwitterなどのSNSでシェアされた場合に、タイムライン上に表示されるアイキャッチ画像を指します。

# ULIZA Sidetalk連携

視聴ページにULIZA Sidetalkチャットを設置できます。ただし、別途ULIZA Sidetalkのご利用契約が必要です。

注意

本機能はコンテンツごとに発行した視聴ページに限り適用できます。配信サイトを構成する視聴ページには適用できません。

# ユーザー認証

配信サイトの場合は、ユーザー名(メールアドレスを含む)とパスワードによる認証、またはOpenID Connect連携を使用できます。コンテンツごとに発行した視聴ページの場合は、登録済みの配信サイトと同じ認証方式を適用可能です。

# 単一ユーザー認証

1組のユーザー名とパスワードによる簡易的なユーザー認証を配信サイトに設定できます。

# 会員プールの使用

会員プールを使用すると、複数組のユーザー名(メールアドレスを含む)とパスワードによるユーザー認証を配信サイトに設定できます。会員プールは、以下のログイン方式から選択できます。

  • ユーザー名とパスワードでログイン
  • メールアドレスとパスワードでログイン

ログイン方式に「メールアドレスとパスワードでログイン」を選択した場合は、ログインページからの新規会員登録を受け付けたり、会員がパスワードを忘れたときのためのパスワードリセットを有効化したりすることができます。なお、どちらのログイン方式においても、会員は配信サイト上でいつでも自分のパスワードを変更することができます。

注意

会員を削除または無効化すると、以後その会員は配信サイトにログインできなくなりますが、現在のところ、既にログイン済みのセッションが直ちに中断されることはありません。

注意

ログインページからの新規会員登録を有効化している場合は、会員プールの合計会員数が契約上限を超過すると新規会員登録が自動的に停止される(会員登録ページへのリンクが非表示になる)場合がありますのでご注意ください。

補足

会員プールのご利用には別途お申し込みが必要です。

# OpenID Connect連携

OpenID Connect 1.0 (opens new window)の仕様に準拠したOpenID Providerと連携してユーザー認証を行います。配信サイトにユーザーがアクセスすると、まずログイン状態の確認が行われます。未ログイン状態であれば、OpenID Providerのログイン画面にリダイレクトされます。OpenID Provider側で認証に成功すると、配信サイトのコンテンツ一覧ページ(または視聴ページ)に再度リダイレクトされます。

連携するOpenID Providerは以下の条件を満たす必要があります。

なお、redirect_uri(認可コードを受け取るURL)は、配信サイトのドメイン名に "/oauth2/idpresponse" を付与したURLとなります。例えば、配信サイトのドメイン名がexample.ulizaportal.jpである場合の redirect_uri は以下のようになります。

https://example.ulizaportal.jp/oauth2/idpresponse

補足

OpenID Connect連携のご利用には別途お申し込みが必要です。

# アクセス制限

# URL有効期限設定

視聴ページURLに有効期限を設定できます。また、1つの視聴ページに対して有効期限の異なる複数のURLを発行できます。

注意

本機能はコンテンツごとに発行した視聴ページに限り適用できます。配信サイトを構成する視聴ページには適用できません。

補足

URL有効期限または同時視聴数制限を使用する場合の視聴ページURLは以下のような形式になります。

https://ulizaportal.jp/pages/xxxxxxxx?expires=1234&signature=abc&version=1

このURLからクエリパラメータを取り除き、同じデータをHTTP POSTで送信することでも視聴ページを開くことができます。HTTP POSTで視聴ページを開くことで、URLのクエリパラメータ(署名文字列)がブラウザのアドレスバーに露出しなくなるため、コンテンツを視聴可能なURLが不当に拡散されることを防ぐ効果があります。

以下にHTTP POSTリクエストの例を示します。

POST /pages/xxxxxxxx HTTP/1.1
Host: ulizaportal.jp
Content-Type: application/x-www-form-urlencoded
Content-Length: 36

expires=1234&signature=abc&version=1

# 同時視聴数制限

設定したデバイス数を超えるデバイス(ブラウザ)が視聴ページにアクセスすると、最初にその視聴ページにアクセスしていたデバイス(ブラウザ)は数秒以内にエラーページに転送されます。エラーページに転送されたデバイス(ブラウザ)は、再視聴待機時間が経過するまでは視聴ページに再度アクセスできません。

# 配信サイトを構成する視聴ページの場合

配信サイトにおいて同時視聴数制限を使用するには、ユーザー認証が有効(ただし「単一ユーザー認証」を除く)である必要があります。このとき、同一のユーザー名でログインしているセッション間での同時視聴が制限されます。各セッションで異なるコンテンツを視聴していても同時視聴とみなされます。また、コンテンツ一覧ページの表示は制限の対象とはなりません。

# コンテンツごとに発行した視聴ページの場合

コンテンツごとに発行した視聴ページにおいて同時視聴数制限を使用する場合の視聴ページURLは以下のような形式になります。

https://ulizaportal.jp/pages/xxxxxxxx?aud=0001&signature=abc&version=1

同一の視聴ページでも aud=0001 の値が異なるURL同士の同時視聴は制限されません。aud の値が異なるURLは管理画面から発行するか、「ULIZA VMS (Cloud) API仕様書」に記載の方法により発行することができます。

補足

  • 同一デバイス上の同一ブラウザなどCookieを共有するブラウザ同士は同一の視聴とみなされます。
  • 視聴ページのURLをSNSやメッセージアプリ等に投稿すると、そのサービスのサーバやクライアントアプリが当該URLに対してリクエストを送信することがあります。この場合、視聴ページをブラウザで明示的に開いていないにも関わらず、同時視聴中のデバイスで視聴が中断されることがあります。

# その他のアクセス制限

配信サイトおよび視聴ページに対し以下のアクセス制限を設定できます。

  • アクセス元IPアドレス制限(CIDR表記による範囲指定可)
  • 参照元ドメイン制限(ワイルドカード使用可)

# カスタムエラーページ

対象となるエラー(URL有効期限切れや同時視聴可能デバイス数の超過など)が発生した場合にユーザーを任意のURLに遷移させることができます。エラー種別ごとに異なるURLを指定可能です。

設定の対象となるエラーは以下の通りです。

  • IPアドレスが許可されていない
  • 参照元ドメインが許可されていない
  • ページが見つからない
  • 公開状態が非公開
  • URL有効期限切れまたは署名エラー
  • 同時視聴可能デバイス数を超過

補足

遷移するURLには自動的にクエリパラメータ ref の値として、エラーページに遷移する直前にユーザーがアクセスしようとしていたURLが付与されます。

# その他の機能

# 常時SSL/TLS対応

配信サイトまたは視聴ページに対するHTTP接続は、より安全なHTTPS接続に自動転送されます。

# 公開状態の設定

視聴ページや配信サイトを公開/非公開に切り替えできます。

# 検索エンジンによるインデックスを拒否

Google (opens new window)など主要な検索エンジンの検索結果に配信サイトまたは視聴ページが掲載されることを防ぎます。

注意

すべての検索エンジンに掲載されないことを保証するものではありません。

# SNSシェアボタンの設置

FacebookやTwitterなど主要なSNSのシェアボタンをコンテンツ一覧ページおよび視聴ページに設置できます。

注意

コンテンツごとに発行した視聴ページにおいて同時視聴数制限が有効な場合は表示されません。

# カスタムHTML設定

コンテンツ一覧ページおよび視聴ページについて、それぞれ <head> 要素内や <body> 要素の最初または最後に任意のHTMLコードを挿入することができます。

注意

本機能は任意のJavaScriptコードを記述したり、アクセス解析ツールの計測タグなどを設置したりする目的に使用できます。ページ上に描画されるHTML要素(説明文や画像など)をそのまま記述することは推奨されません(レイアウト崩れの原因となる場合があります)。

# テストの管理

ULIZA VMS (Cloud)では、コンテンツに紐づくテストを作成することができます。テスト作成後には、テストを埋め込んだ視聴ページを発行することができます。発行した視聴ページより、動画視聴完了後にテストを受講することができます。テストが埋め込まれた視聴ページには、以下のような特徴があります。

  • 動画視聴前に、メールアドレスの入力が必要です。

  • 合格後もテストを再受講することができます。
  • 既にテストを受講している場合は、前回の採点結果を確認することができます。

管理画面では、視聴者のテストの回答と結果の履歴を確認することができます。視聴者が入力したメールアドレス、合否、正解数、回答日時を一覧形式で表示します。

実際の管理画面の操作方法についてはこちらを参照してください。

注意

テストは、テスト用に発行された視聴ページに限り埋め込むことができます。配信サイトを構成する視聴ページには埋め込むことはできません。

# 統計情報の表示

# カテゴリ別コンテンツ統計

カテゴリ別のコンテンツ件数、コンテンツ時間、およびストレージ使用量を確認することができます。データは日次または月次で取得することができます。これらのデータは1時間に1回を目安に更新されますが、更新が遅れる場合もあります。月次データで返却される値は、その月の最終日における値です。

# 配信ネットワーク別配信流量

配信ネットワーク別の配信流量を確認することができます。データは日次または月次で取得することができます。これらのデータはほぼリアルタイムに更新されますが、更新が遅れる場合や、数日後にデータが増減する場合もあります。月次データで返却される値は、その月における合計値です。